ベネチア

今は、塩野七生さんの海の都の物語を読んでいるのですが、ローマ人の物語同様に取材している量が凄いと思います。

水の上に浮かぶベネチア、今は観光地としての機能がほとんどだと思うし、昨年行った時も観光地として見たいと思い、行きました。

しかし、実態は全く異なっています。1千年続いたこの都市の生い立ちと運営の仕方が他の海洋都市、ジェノバ、ピサ、アマルフィとは違う。

最悪にならないようにするために今、何をすれば良いのか、その為にはどのような情報が必要なのか。それをどう活用するのか。を一生懸命に考えた国、国民であったのです。そこには個人が優遇されたり、ある一定の人達が得をするという事は無く、みんなが平等で、損をする事なく交易の活動がされるべきであるとの観点からの国の運営がなされていました。システムを考える事がいかに大事なのかという事です。

他の国では特権階級である、貴族階級も率先して他国との闘いに参加し、国庫にお金が無ければ、自費で船を建造したり、船乗りを雇用したり、貧しい人がいればパンを半分分けたりとある意味、不思議な感じもします。国の為、国の将来の為。。。

現代人は今が、今がという感じで生きていますが、この時代のベネチア人は将来を見越していたのです。まだ、3巻の途中なのですが、思わず感想を書きたくなってしまいました。5巻で終わるので、今月中には読後感想を書きます。どのように没落してしまったのか、そしてイタリアに統治されたのか。これからも楽しみです。